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2014年08月22日

国宝・臼杵石仏

九州旅行の最後の目的地、大分県臼杵市大字中尾・深田にある国宝臼杵石仏を訪れました。
石仏は「ホキ石仏第一群(堂ヶ迫石仏群)」・「ホキ石仏第二群」・「古園石仏群」・「山王石仏群」の四群、60余躯の磨崖仏で、1995年、磨崖仏としては日本で初めて国宝に指定されました。(指定対象は59躯)
造営の時期等を記す史料は一切残っていないため正確なことは解っていませんが、作風から、平安末期から鎌倉にかけて製作されたと考えられています。

先ず「ホキ第二群」から廻りました。

国宝・臼杵石仏

これはその内の「第一龕」です。(他に第二龕)
精神性が伺える表情、姿の美しさ等、千年を経ても尚心に響いてくるものを感じます。
静謐さの中に不思議な温かさが感じられることも臼杵石仏の特徴かもしれません。

阿蘇山からの火砕流が溶結した凝灰岩に彫られた石仏は脆く、劣化による柔らかみが加わっていることも大きいのではないかと思われます。
多くの石仏の下半身が無くなっているのもこの脆さのためで、現在ではこの様な建家に収められ、様々な工夫により劣化が抑えられているそうです。

国宝・臼杵石仏

次は「ホキ第一群」です。(全四龕)

国宝・臼杵石仏

ここの石仏には色彩が残されていることが肉眼でもよく解ります。

国宝・臼杵石仏

嘗ての華やかさを思うと圧倒される思いです。

国宝・臼杵石仏

これは「三王山石仏」の丈六の如来像ですが、何とも可愛らしく、童の様なお顔です。

国宝・臼杵石仏

かなり歩いていて疲れているにも拘らず、疲れも忘れてお顔に見惚れてしまいいました。

最後は最も有名で、臼杵の代表の様な「古園石仏群」です。

国宝・臼杵石仏

金剛界大日如来坐像を中心に、如来像2躯、菩薩像2躯、明王像2躯、天部像1躯、の全13躯から成、大日如来像の頭部は1994年、保存修復が完了するまで仏体下の台座に置かれたままでした。何とも異様な風景ですが、当時、仏頭を元に戻すかどうか激しい論争があったそうですが、仏頭の元の位置への修復が国保指定の条件となったため、最終的に現在の様に復元されました。

九州の石の文化に多く触れ、その素晴らしさに圧倒される旅でした。最後に、石仏群のある高台から下を見ると、極楽浄土の様な蓮池に蓮の花が満開で、多くの人々がそぞろ歩いている様子に、「ここは本当に極楽かも・・・」という錯覚を覚えるほど心穏やかな気分でした。

国宝・臼杵石仏

臼杵の駅へ向かい、電車を待っていると、これからが祇園祭りの本番というのに激しい雷が鳴り始め、その音に見送られながら帰路につきました。



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Posted by ruriri at 18:49│Comments(0)日記
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