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2014年07月01日

ジャック・カロ展

前回ブログに載せた銀座「北欧の匠ビル」を出るとすぐに、こんなお店を見つけ、思わず写真を撮ってしまいました。

ジャック・カロ展

「箒専門店」です!今でも現役なんて感動的です。
時間も無く、店内は見られませんでしたが、どんな箒が並んでいるのでしょうか?何時か覗いてみたいものです。

この後友人と、国立西洋美術館での「ジャック・カロ展」を鑑賞しました。
実は展示期日は既に過ぎてしまったのですが、興味深かったので紹介させて頂きます。

ジャック・カロ展

17世紀初頭のロレーヌ地方(現在はフランスの一部)で活躍した銅版画家で、40数年の生涯に1400点の作品を残していて、西洋美術館には400点所蔵され、今回その内の220点が展示されました。

彼の作品のテーマは、多彩で、華やか宮廷生活、兵士、道化、酔っ払い、乞食、小人(障害者)、等様々ですが、特に知られているのは「戦争の惨禍」と題されたシリーズ作品で、その中では、略奪、放火する兵士や、彼らを処刑する上官、私刑にする農民の姿がリアル過ぎるまでに描かれています。又、表現が極めて緻密で、驚嘆に値しますが、これは、彼の試行錯誤を繰り返した末のエッチング技法の技術革新による所が大きい様です。例えば、先端が傾斜した楕円形のエッチング針を多用して膨らみのある線を可能にしたり、エッチングに用いる防蝕剤をそれまでのロウではなくリュート製作者の使う硬いニスにすることで、彫られた線がより深く腐蝕されるようになり、印刷に使う版の寿命を延ばすと同時に酸の過剰な侵食による失敗を劇的に減らす事にも成功しています。
この様な技術革新による成果は、エッチングによる高度に細密な表現を可能にしています。
その為、会場内にはルーペが置かれ、自由に使える様になっていましたが、皆さん、つい作品に近づき過ぎて、「作品には近づき過ぎないで下さい」とあちこちで注意されていました。
ルーペで作品鑑賞したのは初めてでした。

会場内には更に、DNP大日本印刷のデジタル展示技術により開発された「みどころルーペ」が導入され、タッチパネルディスプレイを用いて、肉眼では気付きにくい作品の細部を拡大して鑑賞できるシステムが2箇所設置されていましたが、一人が占領してしまうと中々空かないので、操作することはできませんでした。

異次元の様な細密な世界を垣間見られて感激しました。

今回は、この展示の他、「平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品展」も鑑賞できました。

ジャック・カロ展

西洋美術館の常設展示には素晴らしい作品が目白押しなので、こうして広く紹介されるのは大変良い企画だと思いました。
友人も、素晴らしい作品が並んでいることに驚いていました。
常設展は是非またゆっくり鑑賞したいものです。



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Posted by ruriri at 18:03│Comments(0)日記
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