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2013年09月01日

岩波ホール

久し振りに神保町の「岩波ホール」へ映画を見に出掛けてきました。
岩波ホール開館時よりのファンですが、途中、仕事その他で大分見損ねた映画があり、最近10年以上は出掛けていませんでした。
今年、高野悦子さんが亡くなられ、とても残念でしたが、彼女の仕事は「岩波ホール」という独自の世界と共にこれからも素晴しい映画を公開することで繋がってゆくことと期待しています。

今回の映画は、1979年公開されとても評判になったイタリア映画、「木靴の木」のエルマンノ・オルミ監督作品で、「楽園からの旅人」という映画です。

岩波ホール

イタリアの何処か小さな町の教会が取り壊されるところから始まる映画で、アフリカからの難民を描いた作品です。
しかし、彼は難民を従来通りの貧しく途方にくれた弱者としてではなく、理想を持って何処かへ向っていこうとしていこうとしている集団として描いているようにみえました。
そのためか、多くの批評にあるように、彼らの表情が知的で美しいのです。
このような美しさを感じたのは初めてでした。
多くを語らず、自信に満ちた表情で互いに微笑みを交わす姿には確固とした信念が伺えます。
オルミ監督自身は熱心なキリスト教信者のようですが、この映画には、イスラム教徒もいて、必ずしもキリスト教側からだけ見ているのではなく、アフリカ難民達の中に世界を再生する可能性を見ようとする積極的な姿勢が感じられました。
現実の世界でのイスラムとキリスト教との対立を考えると、感慨も深いです。

久し振りに映画を堪能しました。
開演前に出会った見知らぬ20台後半位の「イタリア映画好き」の青年との短い会話からも、高野さんの映画への思いが若い世代へと繋がっていっている事を感じて、とても嬉しく思いました。



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Posted by ruriri at 17:07│Comments(0)日記
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