2012年03月21日
“クリスマスローズ”とは?
今日は友人と下里見の<高崎クリスマスローズガーデン>へ出かけました。敷地内には沢山の花が咲いていました。
帰りに販売所で、ご主人にお話を伺っている内、何となく気になってきました。
(ヘレボルス)(ニゲラ)・・・良く聞く名前ですが、何となく聞き逃していて・・・。
帰宅後調べてみました。
クリスマスローズは学名を<helleborus>(ヘレボルス)といい、キンポウゲ科の宿根草です。
スペイン、フランス~ウクライナ、トルコ、黒海沿岸に自生する20種の原種<ヘルボルス>の仲間達です。
大きく分けて
無茎種:根元から多数の葉茎や花茎を立ち上げるもの
有茎種:軸元から花茎を立ち上げて頂点に花を房状に咲かせるもの
その中間種の原種<ニゲラ>や<ヴェシカリウス>(これだけが中東の砂漠地帯に自生)
になりますが、唯一種<チベタヌス>だけが中国四川省、湖北省中心に、ヘレボルス自生地から隔離して自生、近年まで“幻の花”とされてきました。
但し、ここからが問題なのです。
ヨーロッパでは原種ニゲルのみを<クリスマスローズ>と呼び、他は原種名、品種名で呼びます。これらは<レンテンローズ>と呼ばれます。確かに、ニゲラのみが“クリスマス時期”に咲き、他は、3~4月頃です。日本では総て一緒にしているため、最近特に混乱があるようです。
日本へは明治期、薬用植物として導入され、和名は“寒芍薬”(かんしゃくやく)でした。又、下向きに咲く花姿を茶人が好み、原種ニゲラは“初雪起し”と呼ばれました。
日本では近年まで、日陰に強い植物として和風の庭の下草として使われ、極一部の人々のみが珍重していたようです。
ヨーロッパでは、キリスト教との密接な係りがあり、中世には、悪魔、悪霊といった話も伝わっています。
学名の<Helleborus>は、ギリシャ語の<Hellenin>(殺す)と<bora>(食べ物)の合成語だそうです。これは、この植物の根や茎に、“ヘレボリン”等の有毒成分が含まれることと関係があるようです。
この汁を矢の先に塗って鹿や狐を狩ったり、精神を病んでいる人に飲ませたり、悪魔払いに使ったり・・・と中世の暗く隠れた部分を担っていた面もあるようです。
育種は数百年に渡り、ドイツ等ヨーロッパで行われましたが、主に茎の無い“無茎種”の原種を組み合わせて交配されるので、原種に無い色やタイプが現れます。
この30、40年、品種改良は急速に進み、今に至っています。そこにはイギリスの(ヘレン・バラード女史)の研究が大きく関わっています。
原種にはまだまだ色々あり、知らない事ばかりですが、我が家のクリスマスローズがほんの少し身近になりました。
Posted by ruriri at 18:17│Comments(0)
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