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2013年03月08日

オルゴールの小さな博物館

長年行きたいと思いながら、機会の無かった護国寺にある、「オルゴール博物館」ですが、5月に閉館すると聞き、慌てて出掛けました。

私とオルゴールの出会いは幼稚園のころで、我が家にあった小さな箱から流れる音に魅せられ、少しずつ集めたりしていましたが、オルゴールの歴史、メカニズム、等の知識は全くありませんでした。
今回、演奏会と、解説付きの館内巡りに参加、改めてオルゴールの素晴しさに圧倒されました。

オルゴールの歴史は古く、ヨーロッパの時計塔に付けられた時を告げる鐘(カリヨン)といわれ、音階の異なる鐘を自動的に鳴らす装置ですが、既に1380年、ブリュッセルに設置され、1504年、ゼンマイが発明されると時計技術が急速に進歩し、中に組み込まれた音源である鐘は小さなベルに変ります。
更に、長さの異なる金属の棒を一本ずつネジで止め、弾いて音を出す仕組みが考案され、、1796年、スイスで初めてオルゴールが誕生し、時計から独立した音楽再生装置として歩き出します。

19世紀に入り、鋼鉄の板に刻み目を入れ、歯の長短により調律を行う櫛歯(くしば)が考案され、「シリンダーオルゴール」の全盛期となります。

唯、シリンダーのピンは、セメントと松脂で一本一本人の手で植えなければならず、大変貴重なものでした。

オルゴールの小さな博物館

オルゴールの小さな博物館

シリンダーオルゴールも進化し、一本のシリンダーで4曲程聞ける物も作られましたが、余りに高価なため、一部の人々の楽しみでしたが、1886年、ドイツで「ディスクオルゴール」が製品化されると、ディスクを機械でプレスできるため、何曲も聞ける上、安価となり、パブやホテル、更に家庭でも愛用されるようになります。

オルゴールの小さな博物館

オルゴールの小さな博物館

オルゴールの小さな博物館

この頃にはより良い音へと様々な工夫がされ、ディスクを、メイン、サブ、アシスト と、3枚同時に入れて立体感を出そうとした物もあり、今回その演奏が聞けました。

オルゴールの小さな博物館

1877年エジソンの蓄音機の発明がありますが、録音技術が悪く、オルゴールは1920年代まで、音楽再生装置として活躍します。
当時は音楽を記録、再生するために、様々な楽器がつかわれましたが、特に、19世紀に商品化された「自動ピアノ」は、20世紀に入り格段の進化を遂げ、ペダリング、強弱、アクセント、クレッシェンド・・・等、ピアノ演奏に欠かせないニュアンスを忠実に再現できる「リプロデューシング・ピアノ」の登場で、オーケストラとの共演まで可能になり、当時の著名なピアニストは挙って録音したようです。

今回の演奏では、「グラナードス」の演奏がきけました。

オルゴールの小さな博物館

これは、「スタインウェイ」のピアノで、
ピアノロールの穴は、こんな風に開いています。

オルゴールの小さな博物館

自動ピアノには、木や装飾に凝った物も沢山あったようです。

オルゴールの小さな博物館

しかし、1924年、蓄音機が電気録音時代を迎え、再生技術が高まると、余りにも高価な「リプロデューシング・ピアノ」は競争力を失い、1930年代には製造されなくなりました。

一方で、古来より人間の夢が夢を馳せた「自動で動く人形(オートマタ)」は18世紀に入り、フランス、スイスに天才的な人形師が登場し、19世紀になると市販用の「オートマタ」の工房が次々に出来、時を同じくして最盛期を迎えていた「ゼンマイ仕掛けのオルゴール」の動力を利用して人形を動かしました。
当時盛んだった「博覧会」に出品されることで、更に人気を博してゆきます。

今回は、ピエロ2種類と、

オルゴールの小さな博物館

現代作家の物を聞かせて頂きました。

オルゴールの小さな博物館

「素晴しい!」の一言です。
特に、シリンダーオルゴールの音色は夢の様でした。

「オルゴール博物館」は、有楽町線 護国寺駅から徒歩3分

日、月 休館で、5月15日(水)で閉館します。

入館は総て予約制です。
コースは3つあり、

博物館コース 演奏会コース 館長コース です。

TEL 03-3941-0008 です。




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Posted by ruriri at 17:25│Comments(0)日記
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