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2012年11月12日

「うんこはごちそう」講演会より

11月12日、自然史博物館の講演会「うんこはごちそう」を聞きに行きました。
かなり刺激的な題名で、ブログに載せるのにも多少躊躇いがありましたが、講演者の「伊沢正名氏」の真摯な姿勢に押されて書くことにしました。

10月21日より更に秋も深まった博物館です。

「うんこはごちそう」講演会より

伊沢氏は、著名なキノコ写真家であり、キノコ図鑑の写真の殆どは彼の作品です。
菌類図鑑も出版されるなど、菌類との関わりも深い方ですが、現在は、「糞土師(ふんどし)」として、熱心に活動されているそうです。

「うんこはごちそう」講演会より

伊沢氏が強調されたのは、自然界の多くの命を頂き生かされている人間の傲慢さです。
嘗ては「自然葬」、「土葬」等で、他の生き物のえさとなり、分解されて土に返る・・・という、自然界の循環の中にいた人間が、知恵の発達と共に、近代化し、嘗ての習慣を「野蛮」と思うようになった事、又今回のテーマである、「うんこ」を、汚い、臭い、として、生活から排除してしまった事、等、自然界のの循環からどんどん逸脱していってしまったことが、現在、様々な問題を産み出しています。
人間の「うんこ」は、消化、吸収されるのは何割かで、後は排泄されるので、他の動物のごちそうでもあり、又、菌類によって分解されることによって、土を豊かにしてくれるものですが、現代では、総て浄化槽で処理され、最終的には、石油を使って燃やされているそうです。ここから、氏の「野糞」の発想が生まれ、自分の「うんこ」を、時間経過と共に調べられました。
夏場は一ヶ月、冬は五ヶ月かかって、完全に分解されるそうです。

この間の経過がパネルになっています。

まずこんな説明があり、

「うんこはごちそう」講演会より

パネルが始まりますが、初めだけは、省略しました。

「うんこはごちそう」講演会より

特に、「見方をかえる」という視点が大切なのでは・・・と思います。

「うんこはごちそう」講演会より

勿論、他の動物の「うんこ」もえさとなります。
特に有名なのが、モグラのトイレ跡にだけはえるきのこです。

「うんこはごちそう」講演会より

他にも、鹿の糞にはえるキノコ、骨や角にはえる「ホネタケ」等、

「うんこはごちそう」講演会より

本当に、人間が作り出した物以外、総て綺麗に分解され、土に返って行きます。

そういえば、「糞」という漢字、現代では、名前などに不適当とされる第一位だそうで、新聞からも排除されつつあるようですが、昭和の初めまで、畑の大切な肥料とされ、漢字の成り立ちも「米(もみ)」、「田」、「共」からできていて、(米と共に田んぼに入れる)ものだったようです。
因みに、牛若丸や、船の・・・丸の「まる」は、嘗て、簡易トイレを「おまる」と云った様に、「糞」そのものを表す言葉だそうです。昔の人は、「うんこ」を決して汚い、とだけ思っていたのではないことが解ります。(伊沢氏のお話から)

最後に、「キノコとカビのミラクルワールド展」から、美しい展示をご紹介します。

伊沢氏が、笠間焼きの方にお願いして焼いて頂いた「菌類」の模型ですが、

「うんこはごちそう」講演会より

中を覗くと、こんな世界が見えます。

「うんこはごちそう」講演会より

長々「不浄」のお話にお付き合い頂きありがとうございました。



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Posted by ruriri at 18:46│Comments(0)日記
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